身元保証人は就職や賃貸契約、医療など、私たちの生活のさまざまな場面で必要とされる存在です。しかし、いざ必要になったときに「誰に頼めばいいのかわからない」「身元保証人がいないとどうなるのか不安」という人も少なくありません。本記事では、身元保証人が求められる場面や、用意できない場合のリスク、準備方法について解説します。
身元保証人が必要になる主な場面とは?
身元保証人は、本人が責任を果たせない場合の連絡先や支払いの保証といった役割を担います。日常生活ではあまり意識することはありませんが、就職や入居、医療、介護などの重要な手続きで必要になることがあります。ここでは、身元保証人が求められる代表的な場面について見ていきましょう。就職時の入社手続きで必要になる
企業に入社するとき、多くの会社で入社書類のひとつとして「身元保証書」の提出を求められます。これは従業員が仕事上のトラブルを起こしたときや、損害を与えた場合に備えて会社が提出を求めるものです。また、緊急時の連絡先としても機能します。身元保証人は一般的には親や親族が選ばれることが多いですが、友人や知人が認められるケースもあります。ただし、2名の身元保証人を求める企業もあるため、入社準備の際には早めに相談しておくことが大切です。
賃貸契約で契約者の信用を補うために必要
賃貸物件へ入居するとき、連帯保証人または身元保証人を求められることがあります。家賃の滞納や部屋の損傷など、契約者が責任を果たせない場合に対応するためです。しかし最近では、保証人がいない人にも契約の機会を広げるため、保証会社の利用が一般的になってきました。不動産会社が保証会社を紹介するケースも多く、事情があって親族や知人に頼めない人でも入居しやすくなっています。ただし、保証会社を利用する場合は、初回保証料や更新料が必要になる点に注意が必要です。
入院や医療手続きで支払いや緊急連絡に備えて必要
一般的な診察では身元保証人が必要になることはほとんどありませんが、長期入院や高額な治療が想定される場合には求められることがあります。病院としては治療費の支払いや万が一の事態に備えるためです。手術の同意書や入院申込書には、患者本人のほかに身元保証人の署名欄が設けられていることもあります。なお、保証人は多くの場合、家族や親族が担当しますが、家族と離れて暮らしている人や高齢者の場合は保証人探しで困ることも少なくありません。そのような場合は、身元保証サービスの利用もひとつの方法です。
介護施設への入居時の契約で必要になる
自宅での生活が難しくなり、介護施設への入居を考える際にも身元保証人が必要です。施設側は、入居者が生活費や介護費用を支払えなくなった場合や、緊急時に対応するために保証人を求めます。また、施設との契約や退去手続きにも身元保証人の協力が必要になる場合が少なくありません。しかし、核家族化や高齢者の単身世帯が増え、身元保証人を用意できないケースも増えています。このような場合、身元引受人を代行する民間サービスを利用することも検討できます。
身元保証人がいないとどうなる?リスクを知っておこう
身元保証人は就職や賃貸契約、医療や介護などの場面で必要になることがあります。しかし、家族と疎遠・頼れる人がいない・事情があってお願いできないという人も増えているのが現状です。ここでは、身元保証人を用意できず、さらに身元保証サービスも利用しない場合にどのような影響があるのかを紹介します。仕事や住まいの契約が進まなくなる可能性がある
身元保証人がいないと、転職活動や引っ越しで不利になることがあります。会社の入社手続きで「どうしても身元保証人を書いてほしい」と求められたり、不動産会社から「遠方の親戚でもいいので頼めませんか」とお願いされるケースも少なくないでしょう。現実として、身元保証人がいないだけで内定が保留になったり、賃貸契約を断られたりする場合もあります。「緊急連絡先として誰かを書いてほしい」と求められることが多く、結果として転職も引っ越しもなかなか進まない状況に陥りやすくなります。
医療や介護の手続きが進みにくくなることがある
病院や介護施設では、原則として身元保証人がいないことを理由に手続きそのものを拒否することはできません。これは法律上、医療や介護サービスを受ける権利が守られているためです。ただし、現実的には、保証人がいないと入院契約や手術同意、費用支払いの確認などの手続きが進みにくくなるという問題があります。施設や病院の担当者から「できれば身元保証人を用意してほしい」と強く求められることも多く、話し合いが長引くことがあります。特に高齢者の入院や施設入居は急を要することが多いにもかかわらず、受け入れがスムーズに進まないことがあるため注意が必要です。
身元保証人はどうやって用意する?
就職や賃貸契約、医療や介護の手続きなどで身元保証人が必要になったときに「頼める人がいない」「どう準備したらいいかわからない」という人も少なくありません。ここでは、身元保証人をどのように用意すればよいのか、主な方法とそれぞれの特徴を紹介します。家族に依頼する方法
もっとも一般的なのは、両親や兄弟姉妹などの家族に依頼する方法です。企業や不動産会社、病院などでも、まずは家族を身元保証人として想定していることが多く、最初に検討する候補になります。なお、家族に依頼する際は、保証内容をしっかり説明し、責任の範囲を理解してもらうことが大切です。多くの場合、身元を証明するために本人確認書類や印鑑証明が必要になります。特に就職時の「身元保証書」では、保証期間を設ける場合もあるため、署名前に内容を一緒に確認しておくと安心です。
遠方の親戚に依頼する方法
家族に頼めない事情がある場合は、叔父・叔母・いとこなどの親戚に依頼するケースもあります。身元保証人は同居している必要はなく、遠方に住んでいても問題ありません。実際、賃貸契約や就職書類でも「三親等以内」の親族であれば身元保証人として認められることが多く見られます。依頼する際は、書類を郵送でやり取りすることがあるため、スムーズに進められるよう連絡手段を確認しておきましょう。また、親戚とはいえ頼みにくい場合もあるため、事情を正直に説明し、無理にお願いしないことも重要です。
信頼できる友人に依頼する方法
最近では、親族に頼めない人が友人に保証人をお願いするケースもあります。企業や不動産会社によっては「親族以外でもよい」としている場合もあります。ただし、身元保証人は法律上の責任が発生する可能性があるため、友人に依頼する場合は特に丁寧な説明が必要です。頼む前に「どうして家族に頼めないのか」「どんな場面で連絡が来るのか」「費用請求が発生することはほとんどないこと」などを誠実に伝えることが重要です。また、トラブルを避けるためにも、お互いに納得した上で書類を交わすことが望まれます。
身元保証会社を利用する方法
家族や親戚、友人に頼れない場合でも、安心して選べるのが「身元保証会社」を利用する方法です。身元保証会社は法人として身元保証人になり、就職や賃貸契約、入院や介護施設の入居など、さまざまな手続きに対応します。最近では高齢の単身者や身寄りのない方、遠方で親族を頼れない方などを中心に利用が増えています。身元保証会社は契約内容が明確に書面化されているため、トラブルを避けやすく、サポート体制も整っている点が大きな安心材料です。また、緊急連絡や生活支援サービスをセットで提供している会社もあり、信頼して利用できる仕組みが整備されています。