身寄りがない人の緊急連絡先はどうする?安心の備え方

公開日:2025/11/10
緊急連絡先

入院や介護、賃貸契約などの場面で求められる緊急連絡先は、身寄りがない人にとって大きな悩みのひとつです。なぜ緊急連絡先が必要なのか、どのようなときに使われるのか、そして誰を登録すべきか迷う人も少なくありません。そこで本記事では緊急連絡先の役割や注意点、用意できないときの相談先について紹介します。

身寄りがない人にも緊急連絡先が求められる理由

身寄りがない方や一人で生活している方の中には、各種契約や施設利用の場面で「緊急連絡先」が求められ困った経験をされた方もいるのではないでしょうか。以下では、なぜ身寄りがない方にも緊急連絡先が必要とされるのか、その背景と理由を紹介します。

緊急時の対応や安否確認のために必要とされる緊急連絡先

緊急連絡先は、自然災害や事故など思わぬ事態が起きた際に、本人の状況を確認し、必要な対応を取るために求められます。特に社会生活を送る中で、会社や学校、地域のサービス、行政手続きなど、さまざまな場面で安全確保のための体制が重視されています。そのため、身寄りがなくても社会とのつながりの中で暮らす以上、周囲への連絡体制は必要です。緊急連絡先は「何かが起きたときのための備え」であり、本人を守るために設けられた制度といえます。

介護施設の利用には緊急連絡先が必須とされる理由

介護施設に入居する際、多くの施設で契約時に緊急連絡先の提出が求められます。これは入居者の体調悪化やケガなど予期せぬ事態に対応するためです。身寄りがない方の場合でも、施設側は安全な生活環境を提供する責任があるため、連絡先の提出を必須条件とすることが一般的です。

また、緊急連絡先と似た役割を持つものとして「身元保証人」があります。身元保証人は、入居契約の手続き支援やトラブル発生時の連絡窓口となる存在であり、緊急連絡先よりも契約面で深く関わるケースが多いです。身寄りがない方の場合、これらをどう確保するかが大きな課題となっています。

入居手続きだけでなく退去や万一の場面でも欠かせない

緊急連絡先は介護施設への入居時だけでなく、退去手続きの際にも重要な役割を持ちます。別の施設への移転が必要になった場合や、入院に伴う一時退去が必要になった場合、契約手続きを進めたり荷物を整理したりする際の連絡先が求められます。

また、万が一亡くなった場合も、施設では遺品を長期間保管できません。次の入居者を迎えるため、速やかな部屋の明け渡しが必要となります。このような場面で施設側とのやりとりを担う人がいないと、手続きが進まず大きな問題に発展してしまいます。そのため、緊急連絡先の存在は入居中だけでなく、その後の生活や手続きにも深く関わるものといえるでしょう。

入院や手術の契約時にも求められる緊急連絡先

医療機関で入院や手術をする際、病院と交わす契約書の中に緊急連絡先の記入欄があります。これは医療行為を受ける中で、本人が判断できない状態になる可能性があるためです。治療の方針を確認したり、医療費の支払い方法を調整したりする際、連絡が取れる人がいなければ治療が進められない場合があります。そのため、身寄りがない方であっても緊急連絡先を求められることは避けられません。

こんなときに使われる!緊急連絡先の具体例

緊急連絡先は書類や契約のたびに必要となることがありますが、実際にどのようなときに使われるのかイメージしづらい方も多いかもしれません。ここでは、連絡が入る主なケースをわかりやすく紹介します。

海外でトラブルに巻き込まれたケース

海外旅行中や留学先で事故やトラブルが発生し、現地で本人と連絡が取れなくなった場合、日本の大使館や領事館が対応に入ることがあります。その際に、登録されている緊急連絡先へ連絡が入ることが少なくありません。海外では言葉や制度の違いによりスムーズな連絡が難しいケースもあるため、緊急連絡先は大切な情報となります。

急病や事故で意識を失ったケース

自宅や外出先で突然倒れてしまい、本人が自分で連絡できない状況になることがあります。このような場合、救急隊員や医療スタッフは身元の確認と家族への連絡を行うため、身分証明書や携帯電話の登録情報などから緊急連絡先に連絡を試みます。本人が意思を伝えられない状況でも、緊急連絡先があることで必要な対応が進められやすくなるので、iPhoneなどの緊急連絡先機能へ登録しておきましょう

勤務先と連絡が取れない状態が続くケース

会社に勤めている人が無断で欠勤し、電話やメールなどで連絡をしてもまったく応答がない場合、勤務先が安否を心配して緊急連絡先に連絡することがあります。勤務先は従業員の安全管理にも配慮する必要があるため、緊急連絡先は就業規則や雇用契約の一部として提出を求められることが一般的です。

契約の延滞やトラブル発生時に本人と連絡が取れないケース

賃貸契約や携帯電話契約などで支払いが滞納しているにもかかわらず、契約者本人とまったく連絡が取れない場合にも緊急連絡先が利用されます。事業者はトラブル解決や状況確認のため、緊急連絡先へ連絡して状況を確認することが少なくありません。連絡手段を確保するため、契約時に緊急連絡先の提出が求められるのはこのためです。

緊急連絡先は誰でもいいわけではない

緊急連絡先は本人に代わって連絡や手続きの対応をしてくれる重要な存在です。しかし、誰でも登録できるわけではなく、相手によっては緊急連絡先として認められない場合があります。ここでは、緊急連絡先として適さない人の特徴を紹介します。

判断力に不安がある認知症の方

認知症の方は記憶力や判断力が低下することがあり、緊急時に適切な対応を取ることが難しい場合があります。そのため、多くの医療機関や介護施設、行政手続きでは緊急連絡先として認められにくいことがあります。緊急連絡先は、突然の連絡に対応し、状況を理解した上で必要な判断ができる人でなければなりません。認知症の方はその役割を果たすことが難しいと判断されるため、登録を断られるケースがほとんどです。

連絡を受けても対応が難しい障害のある方

身体障害や知的障害、精神障害を持つ方の中には、緊急連絡先として責任を果たすことが難しいケースがあります。特に、判断力や意思疎通に支障がある場合、緊急時に医療機関や施設と連絡を取り合うことができなかったり、必要な書類手続きが進められなかったりする可能性があります。たとえ本人や家族の希望があっても、施設や病院から緊急連絡先として認められないことも少なくありません。

法的な責任を負えない未成年者

未成年者は法律上の契約行為に制限があるため、緊急連絡先として登録できないことがほとんどです。緊急連絡先は、医療手続きや介護契約、身元確認など、法律や契約に関わる場面で連絡を受ける立場になるため、ある程度の責任を負える人であることが前提になります。しかし、未成年者には法的責任が認められにくく、緊急連絡先として適さないと判断されるのです。

後期高齢者も対象外になる可能性が高い

75歳以上の後期高齢者でも元気に生活している方は多くいますが、緊急連絡先として避けられることがあります。理由としては、体調の変化が起きやすい年齢であることや、すぐに連絡や対応ができない可能性があるためです。

また、遠方に住んでいる高齢の親族を緊急連絡先にしている場合、いざというときに移動が難しいという問題もあります。緊急連絡先は「確実に連絡が取れること」「対応力があること」が求められるため、施設や病院では後期高齢者の登録を断るケースも少なくありません。

緊急連絡先に困ったときの相談先と解決方法

病院や介護施設、賃貸契約などさまざまな場面で必要になる緊急連絡先ですが、身寄りがない方や家族と疎遠な方の中には用意できずに困ることがあります。緊急連絡先が確保できないからといって諦める必要はありません。ここでは、緊急連絡先が見つからない場合の具体的な対処方法を紹介します。

信頼できる友人・知人に依頼する

親族を緊急連絡先にできない事情がある場合でも、信頼できる友人や知人を緊急連絡先として登録することは可能です。条件としては、成人であることと、事前に本人の同意が得られていることが必要です。緊急連絡先は、いざというときに連絡を受けて対応してもらう役割を持つため、無断で登録するのはトラブルのもとになります。事情を説明し、負担にならない範囲で引き受けてもらえるかしっかり確認しておくことが大切です。

役所の担当者やケースワーカーに相談する

高齢者や障害のある方、生活保護を受給している方の場合、自治体の相談窓口で支援を受けられることがあります。担当のケースワーカーや地域の福祉担当者が緊急連絡先の役割を担ってくれることもあり、生活に不安を抱える方にとって心強い支えとなるでしょう。地域包括支援センターや福祉課に相談することで、状況に合った支援制度を紹介してもらえる可能性があります。一人で抱え込まず、まずは行政に相談してみてください。

民生委員に相談する

民生委員は地域の身近な相談役として、生活面で困っている方の支援を行う役割を担っています。直接、市区町村が緊急連絡先になることはありませんが、必要に応じて民生委員が緊急連絡先として協力してくれる場合があります。まずは市区町村の役所や地域の保健福祉センターに連絡し、状況を伝えたうえで民生委員を紹介してもらう流れが一般的です。地域で暮らしを支える制度のひとつとして活用できます。

身元保証サービスを利用する

身寄りがなく緊急連絡先を確保できない場合、民間の身元保証サービスを利用する方法があります。このサービスは、入院や介護施設入居の手続き、緊急時の連絡対応などを代わりに行ってくれるというものです。また、亡くなった後の対応を任せられる「死後事務」や、日常生活の支援が含まれる契約もあります。特に高齢の方は判断力があるうちに早めの準備を検討しておくことが重要です。

専門家に依頼する

弁護士や行政書士などの専門家に緊急連絡先を依頼することも可能です。専門的な知識を持ち、契約や緊急時の対応を適切に行うことが期待できます。法律面からしっかりサポートしてほしい方には安心できる方法ですが、相談料や契約費用が必要になるため、事前に費用を確認しておくことが大切です。また、正式な契約内容を確認し、納得したうえで依頼することが必要です。

まとめ

緊急連絡先は、事故や病気、災害など予測できない事態が起きたときに本人を支える大切な連絡手段です。家族がいない、親族と疎遠といった事情があっても、社会と関わりながら生活する以上、緊急連絡先の準備は避けて通れません。また、誰でも登録できるわけではなく、責任を持って対応できる人であることが求められます。もし依頼できる相手が見つからない場合でも、自治体の相談窓口や福祉機関、専門家、身元保証サービスなど解決につながる方法はあります。安心して暮らすためには早めに備え、自分に合った連絡体制を整えておくことが大切です。

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特徴弁護士直営で信託口座管理を徹底する安心設計葬儀や死後事務まで一括対応できる総合保証サービス専任コンシェルジュが生活から死後まで支援する仕組み葬儀や納骨も含め幅広く支援する認定NPO法人身元保証から死後事務まで選択できる包括支援体制
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